シリーズ 過疎問題を考える6

ひかり113号記事(R3.3.1号)
2021/3/1

シリーズ 過疎問題を考える
 
 新型コロナの影響でリモートワークを導入している企業が増えています。報道では、ワーケーションというワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた造語が紹介されており首都圏を中心とした会社員の働き方が大きく変化した一年となったようです。居住地域を離れてリモートワーク(テレワーク)しながら休暇を取るという新しいワークスタイルなのでしょう。

 県下では、白浜温泉のように全国的にも有名な温泉地があるほか、いわゆる過疎地といわれる自然豊かな環境下で、個々のライフスタイルを楽しみながらリモートで仕事ができる地域がたくさんあります。
 首都圏に一極集中していた人口が移動分散できる、またとないチャンスではないかと思いますが、都会の方々と地元住民の価値観の違いで地域に溶け込めずに過ごされてはせっかくの移住が不快なものとなりかねません。
 そこで、地域交流の場としてのお寺の役割が重要ではないかと考えます。

 お寺の法座やイベントなどに地域の移住者らを積極的に誘い、住民と交流していただけるきっかけをつくるのです。たとえば、海岸筋の別荘では都会から移住された方々がたくさん生活されています。そうした方々に声をかけて、地元のお寺に足を向けてくださることが過疎寺院の活性化の方策としてのみならず、一人でも多くの方に、阿弥陀さまの願いに触れて頂く機会をつくるきっかけになろうかと思われます。
地域に根ざした寺院運営という観点から見ると、まだまだ創意工夫や模索しながらいろいろなことが実践できる気がします。           (楠原)