過疎問題を考える12

(ひかり119号R5.3.1)

「法語印」に託す思い
法座活動や日頃の本堂への参拝の機会が、このところ減少していませんか。
「コロナ禍だから」という、取って付けた理由で参拝を控えてられる方もいらっしゃることかと思います。
 しかしよくよく考えたら、もともとお寺参りの習慣が身についていない世代の方がいかに増えてきているのかということに気づきます。
 お墓参りには行くけれども、本堂は素通りされている参拝者がいかに多いかを憂いているのです。この機会にお墓参りの際は必ず本堂の阿弥陀さまにお参りしましょう。
 昨今、「御朱印」ブームと言われ、老若男女問わず、有名な寺社仏閣に御朱印帳を手に巡られているお話をよく耳にします。浄土真宗では、御朱印は用いないのですが、大阪の津村別院や京都市の仏光寺などで「法語印」を参拝記念にしていることを知りました。
 御朱印はスタンプラリー的な意味合いもあるので、一度参拝するとその後は幾度も参拝はしないのではないかと思われますが、法語印だと毎回違う法語が手に入り、法語印を求めるリピーターも少なからずいるのではないかと推察できるのです。
 実際に、今年の元旦に初めて法語印を作成して配布したところ、隣町から法語印を求めて来られた方もおられ、SNSでの情報発信の威力を痛感しました。元旦会の参拝客に感想を伺いますと好評でしたので、御正忌報恩講にも配布、その後は毎月法語を替えて本堂内に自由に持ち帰りできるように置いています。
 過疎寺院において、新たな取り組みを通じて今までお寺にご縁が少なかった世代の方々に浄土真宗のみ教えを伝える手段として、今後も継続してゆきたいと思います。
 あらゆる方法でお寺の魅力を発信しつつ、「行ってみたいお寺から始まり、行ってみように、そしてお寺に行ってきたよ」となれるお寺を目指したいと考えています。