シリーズ 過疎問題を考える4

ひかり111号記事(R2.7.1号)
2020/7/1

シリーズ 過疎問題を考える
  新型コロナウイルス感染防止の影響で、寺院のあらゆる法要、行事、活動などが中止されています。
 今後の各寺院の法座活動は、感染予防という点について、一定のガイドラインのもとで再開する必要があろうかと思い
ます。境内地も活用する、換気、手指消毒、一定の距離を保つなど、創意工夫がなされなければなりません。
 再開にあたって懸念すべきことがあります。法座活動の規模を縮小したり、簡略化することによってこれまで行えてきた伝統が消えてしまうことではないでしょうか。例えば、法要後のお斉(おとき)が省略される、参拝者の人数制限により積極的な参拝者が減少する、家族葬が主流となる等々が考えられます。
 実際、葬儀や年回忌法要において、遠方からの親類は呼べず、家族のみでお勤めすることが増えています。
 一度中止にすると、もう儀式はしなくてもよいという風潮が一層強まっていくことが危惧されるのです。
 全国的にこのような形式が増え続けると、過疎地の寺院が悲鳴を上げるのは当然です。
 コロナ終息後、私たち寺院関係者は今までのような法要儀式のありかたを大きく変えなければならないのかもしれません。

(楠原)